現代ガラス界を代表する作家の一人として活躍していたガラス作家伊藤けんじさん。
2021年11月30日、軽井沢の地で突然亡くなられた。享年61歳。川崎の彩グラススタジオと軽井沢にガラス工房を構え、日々宙吹きガラスの個性あふれる作品をつくり続け国内外で高い評価を得てきた。
動物をテーマとした巨大な幻獣の頭や可愛らしいアルマジロは、吹き竿の先で塔けたガラスを一気に成形していく瞬時の造形力という高度なテクニックを駆使した作品。神秘的で躍動感に溢れ迫力さえ感じる。
伊藤けんじさんの息がかかった作品たちは、今後軽井沢に展示館が設立され残っていく予定。
ガラスという素材の可能性を開拓し、技法の限界に挑戦し続けた伊藤けんじさん。
今にも動き出しそうな作品たちは、いつまでも私たちの心に残っていくことだろう。
1960年富山県生まれ。これまで全国で多くの個展を開催するかたわら、武蔵野美術大学などの講師を勤め、後進の育成にも積極的に取り組んできた。